Kaggleの分析概要
データと仲良くなる8つのステップ
―― Kaggleで分析を進める基本の流れ
Kaggleを始めたばかりの人は、「何から手をつければいいのか」が分かりづらいと思います。
Notebookを見ても、セルが多くてどこから真似すればいいのか判断しづらい。
分析の流れは、一度整理してしまえばシンプルです。
ここでは、Kaggleで一般的に行われる7つのステップを順に紹介します。
コードやモデルの細かい説明ではなく、全体の進め方をつかむことを目的にしています。
1. 課題理解 ― 目的を正確に把握する
最初のステップは、**「何を予測するか」**を明確にすることです。
Kaggleではコンペごとに、目的(例えば生存予測や価格予測)と評価指標(Accuracy、AUC、RMSEなど)が設定されています。
この指標を理解せずに進めると、的外れなモデルを作ることになります。
たとえば分類問題と回帰問題では、使うアルゴリズムも評価の見方もまったく違います。
まずは、どの列が目的変数なのか、どんな評価軸でスコアがつくのかを確認します。
そして「どんな要素が結果に影響しそうか」を簡単に想像しておくと、後の分析が進めやすくなります。
2. データ理解 ― データの全体像を把握する
次は、提供されたデータの中身を確認します。
ここではまだ加工や学習は行わず、全体の構造を理解することが目的です。
- どのくらいの行数・列数があるか
- それぞれの列は何を意味しているのか
- 数値、カテゴリ、文字列など、データ型はどんなものか
- 欠損値や異常値がどれくらいあるか
こうした情報を一通り把握しておくと、後の工程で迷いません。
また、この段階でNotebookの環境も整えます。
NumPy、Pandas、Seaborn、Matplotlibなど、基本的な分析ライブラリを読み込み、必要ならPlotlyやMissingnoも使えるようにしておきます。
これらはKaggleでほとんどの分析に使われる標準ツールです。
ここでの目的は「まずデータを正確に見る準備を整える」ことです。
3. データ整備(クリーニング) ― ノイズを取り除く
次に、データを分析しやすい形に整えます。
実際のデータには欠損、誤記、極端な値などが含まれています。
この段階では、次のような処理を検討します。
- 欠損値の扱い(削除・補完・別カテゴリ化など)
- 型の変換(文字列→数値など)
- 明らかに異常な値の修正または除外
- 重複データの確認
ここでの判断は「何を残し、何を除くか」という基準を明確にすることが大切です。
単純に欠損を埋めるのではなく、「欠損が意味を持つ場合はどうするか」など、データの背景を考えて対応します。
データ整備を丁寧に行うことで、後のモデル学習の安定性が大きく変わります。
4. 探索的分析(EDA) ― 傾向と特徴を探す
データの形が整ったら、次は**探索的データ分析(EDA)**に進みます。
この段階では、グラフや統計量を使ってデータの傾向を確認します。
代表的な確認ポイントは次の通りです。
- 数値の分布(ヒストグラムや箱ひげ図)
- 変数間の関係(散布図、相関係数など)
- カテゴリごとの違い(棒グラフや集計表)
EDAでは「仮説を立てる」ことが目的です。
例えば「年齢が低いほど生存率が高いかもしれない」「料金が高い人は上級クラスかもしれない」といった気づきを得ます。
この工程で得た理解が、次の特徴量設計につながります。
5. 特徴量設計・前処理 ― モデルが理解しやすい形にする
機械学習モデルは、データの意味を直接理解することはできません。
そのため、学習しやすい形に整えてあげる必要があります。
特徴量設計では、既存の情報から新しい指標を作ることがあります。
たとえば「年齢を10歳ごとに区切ったカテゴリを作る」や「日付から曜日を取り出す」などです。
データを少し加工するだけで、モデルの精度が大きく変わることもあります。
また、前処理として以下のような対応をします。
- 数値のスケーリング(値の範囲を揃える)
- カテゴリ変数のエンコーディング(数値化)
- 不要な列の削除
この段階を丁寧に行うと、以降のモデリング作業がスムーズになります。
6. ベースライン構築 ― 最初のモデルを動かす
整えたデータを使って、最初のモデルを作ります。
これを「ベースラインモデル」と呼びます。
ベースラインの目的は、現時点の実力を把握することです。
たとえスコアが低くても問題ありません。
次の改善でどれだけ良くなったかを比較するための基準になります。
Kaggleでは、ランダムフォレストやロジスティック回帰などのシンプルな手法から始めることが多いです。
この時点で結果を一度提出しておくと、プロセス全体の流れもつかめます。
7. チューニングとアンサンブル ― モデルを改善する
ベースラインができたら、少しずつ改良していきます。
ハイパーパラメータの調整(チューニング)を行い、性能を向上させます。
Scikit-learnのGridSearchCVやOptunaなどを使うと効率的です。
さらに、複数のモデルを組み合わせる「アンサンブル」も有効です。
それぞれのモデルが得意な部分を補い合い、全体の精度を上げることができます。
ただし、スコアを上げることだけを目的にすると過学習に陥ることがあります。
「なぜ良くなったのか」「どの特徴が効いているのか」を確認しながら進めましょう。
8. 評価・提出・共有 ― 結果を整理して次につなげる
最終的にモデルを提出して、Kaggle上でスコアを確認します。
ただスコアを見て終わるのではなく、結果の理由を振り返ることが重要です。
- どの特徴量が予測に大きく影響したか
- 改善した箇所はどのようにスコアに反映されたか
- まだ改善できそうな点はあるか
Notebookを整理して、考察を記録しておくと再利用もしやすくなります。
他の参加者のNotebookを参考にするのも効果的です。
成果を共有することは、自分の理解を深める一番の方法でもあります。
まとめ ― データ分析は段階的に進める
Kaggleの分析は、次のような順で進めると整理しやすいです。
- 課題理解
- データ理解
- データ整備(クリーニング)
- 探索的分析(EDA)
- 特徴量設計・前処理
- ベースライン構築
- チューニングとアンサンブル
- 評価・提出・共有
これらは直線的な手順ではなく、必要に応じて行き来するものです。
新しい気づきがあればデータ理解に戻り、特徴量を作り直すこともあります。
Kaggleの面白さは、この反復の中で分析力が少しずつ上がっていくことです。
焦らず、各ステップを確実に進めることが、最終的に良い結果につながります。

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